音月桂主演バージョンを5/8に観てきました!
「音月桂&晴華みどりだったら、もうちょっと芝居が濃くなるかな~?」、と観に行く前に雑談掲示板に書きましたが、その通り。いいえ、予想以上でした(^_^;)。本人達も、前半バージョンを観て、「自分達が演るなら・・」と考えたのではないか? と思える変わり様。
雪組は、既に本公演でもかなり活躍している若手が主演という事で、各々の個性がかなり出たのではないかと思いました。
その個性を二言づつ(?)で言えば、壮は、「すっきり」「あっさり」。音月は、「甘く」「こってり」(^_^;)。
これも、今までの舞台から分かる、予想通りなのですが、本当にそうだったから面白いです。
音月は、オープニングの歌詞「君をこの胸に抱いたあの日から、ときめきは今も続いている~」で、「抱いた」「ときめきが続いている」とちゃんと表情と振りで伝えるんです。観ていて照れる位の甘さで。しかも、同じ歌詞が出てくる度に繰り返す(^_^;)から、その歌詞が印象に残ります。
実際、その歌詞の通り、ジェフリー(音月)がエレノア(晴華)と離れる前に一度だけ抱く場面があるんですね。
その時の気持ちの高まりっぷりと、その連呼される歌詞の度の表情、別れる時の涙を振り絞らんばかりの盛り上がりっぷり、彼女を思ってお守りにくちづけする時の熱さ、こんな数々の工夫で、脚本がエレノアを置き去りにしていても(^_^;)、ジェフリーがエレノアを思い続けている事が分かるんです。
それは、敵討ちの件でもそう。彼が敵討ちを常に心に秘めているように見えるんです。だから、砂漠を一人で救援を呼びに行く時に「行かなければならない理由があるんです」というような台詞が(この台詞が「死んでも良い人間なんです」みたいな台詞から変わったのも、ものすごく大きいですが)、仇討ちという意志を秘めた故の言葉に聞こえるし、クレイトン大尉に会った時の闘争心(?)と言ったら、その後一幕ラストの歌う場面でなければ、そのまま追いかけて斬りつけていそうな勢い(^_^;)。
他も、病院でクレイトン大尉に襲われる場面での驚愕もすごかったですし、とにかく芝居が細かい、熱い。そして、その表現がいちいち的確なのに感心。それがあのバラバラな脚本の隙間を埋めて、何となく、全体にそんなに悪くない物語に思えてしまったのがすごいです。(これが初見だったら、いろいろ物語につっこみを入れていたかもしれないけれど。)
本当に見た目も可愛くてキレイだけれど、中身も良くできた貴重な若手。観劇後「良くできた子だわ~」と感心しきりでした(^_^;)。
それは、晴華も同じ。特に印象に残るのは、ジェフリーの名前を名簿から見つけた時の芝居。客席からもすすり泣きが聞こえて、「皆泣いているよ! この物語で感動しているよ!」と驚いている自分がいました(^_^;)。
他はあまり演りようのない役ですが、歌声がきれいなのもやはり大きいですね。
観る前は絶対大爆笑だと思っていた(失礼な^_^;)沙央くらまのエドウィン中尉。意外と上手く化けていました。見た目がコロコロしてもう一つですが、芝居で音月の上官、それなりに戦地を生き抜いた猛者に見え、上手い人なんだと感心しました。
殺陣は間違いなく凰稀かなめより上手。強そうでした(^_^;)。ただ、「なぜ戦うか? 隊のものに責任があるからだ。」と言うような、やさしさのある男というのには、凰稀の方が合っているような気がしました。
クレイトン大尉の宙輝れいかは、悪くはないけれど、それ程挙げたい所もなかったです。緒月遠麻が演っているから、前半はジェフリー、エドウィン、クレイトンの3本柱の役に見えたんだな、と思いました。フィナーレのダンスがキビキビしていたのには、ちょっと驚きましたね。
反対に、ウィリアム軍曹の連城まことが華やかで、良い役に見えました。まだまだ頼りないですが、「送られなかった手紙」の時よりは頼もしくなったような気がします(^_^;)。
ナキアの舞咲りんは、冒頭のダンスがとても良かったですが、役柄的にはあまり似合っていない気がしてもう一つ。前半ともに観て思うのですが、ナキアは良い役なのに、あの紫のベールを被り続けなければならない所が、どうしようもなく地味に見えて、魅力の出ない原因のような気もします(^_^;)。
せめて最後のラブシーンの時は、とっても良いのではないかと思いました。
クレアの愛原実花は、声が弱いですが、ジェフリーを想っている健気な感じは良く出ていたと思います。他では、ラテリー夫人の鞠輝とわが、前半よりずっと優しい人柄が自然に出ていて良かったです。