宙組新人公演「炎にくちづけを」


宙組新人公演「炎にくちづけを」、観てきました!

マンリーコの和涼華。まず直しようのない印象の話になってしまって申し訳ないのですが、本役の和央ようかより一回り小柄なせいか、コスチューム姿での登場に、「小さい!」と思ってしまい、3場のジプシー達との場面の辺りでは、ブーツの上にスボンが余っていたのも形が悪くて気の毒でした。あくまで宙組内だからこその話で、相手役の美羽あさひとの場面の時などは、十分大きく見えたのですが。
オペラグラスで良く見ると、顔も整っていてキレイ。でも、何となく控えめ~な印象が終始ありました。
歌は声が良く出る時と、出ない時の差がありますが、全体には良く訓練して、歌えていたと思います。もともとが、割と声が細いのではないでしょうか。「良い声だ」とは思えないのが、もう一つ私が「歌が良かった!」とは思えない理由なのだと思うのですが・・。
後半のアズチューナが捕まった時の銀橋での歌や、牢獄での大ナンバーには思い切りの良さが見えて良かったです。特に牢獄でのナンバーは、客席の後ろの方まで意識して、精一杯歌っています! という感じが見えて、ちょっと物語からは逸れた気もしますが、フレッシュでちょっぴり可愛くもあり(^_^;)新公らしくて良かったです。

レオノーラの美羽。花總ほどではないにしても、美羽も上品な姫系の役が似合う人だと思うので、役としては良く似合っていて、安心して見ていられました。歌はあまり得意なイメージはないのですが、今までの印象に比べると良く歌えていたと思います。
でも、本公演でも書きましたが、花總の役をすると、どうしても顔の大きさが違うのが気の毒になりますね(^_^;)。

一番気になったのは、和のせいなのか、美羽のせいなのか、二人の芸風が固いせいなのか、あまり愛し合っているとか、お似合いな感じに二人が見えなくて、ロマンスの点で、見ていてあまり気分が盛り上がらなかった事。
でも思い出して見ると、和央も割とラブシーンは無表情なんですよね・・。

あと、毒の飲む件で、花總は「私は恋人の為に毒を飲むの!」という悲劇のヒロインのキラッキラ感に溢れていたような気がするのですが(^_^;)、美羽は「ジプシーを可哀想だと思った私はどうなんだろう?」というレオノーラの人間性の方が、より見えたような気がしたのが印象的でした。

ルーナ伯爵の七帆ひかる。本役と違い、黒髪と黒っぽいメークにしたのがとても良く似合っていて、あのほにゃ~んとした素顔が(失礼な)、なぜこんなにキリリとかっこ良くなってしまうんだ~! と大感心。面白くてならなかったです。
歌は前半少し弱いな・・と思うところもあったのですが、全体に安定感があり、特に、三ヶ月の場面で台の上で歌う歌も、滑らかに歌いきったのには感心しました。七帆の方が、和より声は良いと思います。
豪華な衣装も良く似合っていて、存在感のある二枚目の敵役振りでしたね。
本公演のジプシーの時は、回りに埋もれている気がするのですが(^_^;)、七帆はやはり、歌ったり、しゃべらせたりしないとダメなんだ、というのが良く分かりました。

パリアの早霧せいな。ほわ~んとした、穏やか~な雰囲気が全体に漂っている宙組若手の中で、やんちゃな早霧の個性は良いスパイスになっている気がします(^_^;)。今回も、生き生きした感じがジプシー役には良く合っていると思いました。
しかし・・もう・・あの髪型・・頭のてっぺんの白いゴム? が・・おかしくないですか(笑)? 上に高く上げているのも、頭が大きく見えてもう一つ。歌ももう一つ。
見た目もさすがに大和悠河ほどのインパクトはない・・となると、そのやんちゃさは貴重ですが、もっと上を目指すなら、観客を納得させる実力を、もう少しつけて欲しいです。

フェルランドの十輝いりす。髭もコスチュームも良く似合い、本当に元は日本人女性なんですか? と思う位の、絵に描いたような異国のダンディな軍人さんに見えました。
歌はまあまあ、見た目はかっこ良い・・となると、これ、本役の寿つかさと同じような感想になってしまうんですよね~(^_^;)。後半は出ているだけの場面が多いですし、最後の新公だけに、もう少し二枚目で活躍して欲しかったなぁ~、という物足りなさがありました。
あぁ・・でも・・好きな男役さんだけに良く見ていたので、一つだけつっこんで良いですか? ズボン・・多分短いんですよね(笑)。マチの部分が下がっているのが、気になって仕方なかったのですが・・あれ以上どうしようもなかったのでしょうか?

ジプシーでは、ドーの鳳翔大を楽しみにしていたのですが、確かにキレイなのはキレイで良かったと思うのですが、黒塗りが黒過ぎるのが、もう一つだったかな・・。でも、多分初めての黒塗りですよね。台詞や歌は割と男役らしい声が出ていたと思います。
他では、ティーンの凪七瑠海が、本公演では可愛らしいイメージしかなかったので、意外とかっこ良く男らしく見えてびっくりしました。やればできるんですね・・可愛い役ばかり回ってくるだけで。
他も期待の男役ばかりでしたが、全体には、いかに本公演のジプシー達が、粒揃いであるかを再認識しました(^_^;)。

アズチューナの和音美桜。見た目は特に小細工せず、母には到底見えませんでしたが、低い良い声で、役の存在感を出していました。
歌は流石に聞き応えがあり、これだけでも観に来て良かったと思います。
残念だったのは、ラスト「母さん復讐を遂げました!」がそのまま流れちゃった所でしょうか。演技力はまだまだ若いと思います(^_^;)。でも、私としては、あまり渋い方へ流れず、歌えるヒロインを目指して欲しいと思う人なので、これで十分な気もします。

他ではエークが上手いし、割とキレイな人だな、と思ったら、前の全国ツアーでダニエルを演っていた八雲美佳で、なるほど・・と。
歌い出した修道院長が、うわっ、上手いな~、と思って見たら、音乃いづみでした。流石です。
ニーラーの大海亜呼も、初めて歌を聴いた気がしますが、良く歌えていました。

イネスの咲花杏は相変わらず愛らしい。歌は序盤の方は低い声が出にくそうでしたが、修道院の方はキレイな声が出ていました。
ジプシー女では、花影アリスがやはりキレイ。彼女は肩や腕が見える衣装の時は、華奢すぎてもう一つなのですが、こういう衣装なら気になりません。

若い家臣は暁郷と紫咲大佳。紫咲は今年の初舞台生のお気に入りさんなので、早速役がついて嬉しかったのですが、文化祭のソロのイメージからすると50点・・いや40点くらいだったかな(^_^;)。あの一発ソロをキメるのは難しいだろうとは思っていましたが・・東京ではがんばって下さい~。
暁はさすがにエンカレッジ・コンサートにも出ていただけあって、まずまず。そろそろ見た目通りの存在感のある役も、観てみたいですね。