星組ドラマシティ公演「龍星」


星組ドラマシティ公演「龍星」、10/9に観てきました!
児玉先生ごめんなさい・・先生の作品だから「もう一つ興味がわかない」・・などと事前に雑談掲示板に書いてしまいましたが、面白かったです。はい。
何が素晴らしいって・・主演の安蘭けいに当てた主人公のキャラクターが素晴らしいですよ!!
安蘭の魅力、安蘭の真価、ここにあり! だと思いました。
(以下、ネタバレです。)

その安蘭の龍星。
宝塚の作品の主人公だと思うとあり得ない人物設定で、児玉先生らしいなぁ~、と。多少危険だとも思いつつ、しかし今回は安蘭の魅力を出せていたので、良しとしましょう。
才気ある自分の名前も知らない一孤児が、烏延将軍(星原美沙緒)との出会いにより、身代わり密偵からそのまま皇帝にまで昇りつめてしまう。
運命のいたずらと、本人の才覚で、どんどん孤高へと追いつめられる悲劇感、しかしチラリとはある野心、名前が欲しかったという切なさ、全てが素晴らしかったです。

李霧影の柚希礼音。正統の「龍星」が彼にあり、安蘭の龍星が後半やや悪役めく所がこの作品の宝塚らしくない所で、だからこそ良いと、面白いと思う所でもあります。
その正統宝塚的二枚目所をキッチリと演じて、安蘭と対峙しても遜色ないスター性を感じ、頼もしかったです。

砂浬の南海まり。もともと好きな娘役さんだったのですが、まさかこのメンバーでヒロインが回ってくるとは思っていなかったので、嬉しかったです。
品のある立ち姿とやさしい声が、役に良く合っていたのではないでしょうか。
衣装と鬘のバランスがもう一つ良くないように見えたのですが(すごくなで肩に見えたのが気になりました)、ラストの白の衣装はとてもキレイでした。
歌はもっと歌える人だと思うのですが、何となくまだ緊張感があって、力を出せていない気がします。

花蓮の陽月華。スタイルの良さとダンス力が生きた、ピッタリの役で、殺陣もとてもキレイでした。
女剣士という役所ながら、思った以上に優しく、可愛らしく役作りしていて、良かったと思います。
彼女も鬘がもう一つ。顔色ももう少し良くしても良かったのではないかと思うのですが・・これも彼女らしいかも。

他では、烏延将軍の星原、李宰相の磯野千尋の頼もしさ、皇后の朝峰ひかりの迫力、阿懶(美稀千種)&達懶(紅ゆずる)の可愛らしさ。
紅はやはり、「ソウル・オブ・シバ!」の楽屋番人(?)で認められての抜擢なのでしょうか?
上手いのかは良く分かりませんが、キレイなのに三枚目役に積極的に取り組んでいるのは買えますね(^_^;)。

飛雪の彩海早矢。飛雪って・・名前もまたクール・・(笑)。
いつも熱演の彩海に、「普段は冷静なお前が・・」という台詞には肩を震わせて笑ってしまいましたが、なかなかがんばってクールな武将を演じていて、今までの彩海の中では、一番かっこ良く見えました。
ラストは「やっぱり熱い奴じゃん!」と思わせる熱演振りでしたが(^_^;)。
大柄でダンスが上手いので、強そうに見えますね。磯野を肩にかついで退場したのにはびっくり。
安蘭も割と大柄な(笑)南海を抱きかかえて退場しますし・・。
先日の越乃リュウといい、男役は力持ちだなぁ~。(勝手に感心)

「龍星」という題名から若干気になっていましたが(^_^;)、実際の舞台を観てさらに、私も「巌流」が浮かんでなりませんでした。
・まず、安蘭の子役が「巌流」と同じく成花まりん。
・李霧影がとても大きな役として対峙し、しかも二人の関係は因縁めいている。
・しかも、ラストに対決場面があり、李霧影は客席から登場する。(ここでJIMMY目眩。)
・龍虎対決の墨絵まで登場したような・・。
きっとわざとじゃないんですよね~、児玉先生。何となく記憶にある良かったものを、そのままやってしまうんですよ・・多分。
多分・・多分ですけれどね。