歌劇「花の道より」400回記念「花の道 夢の道 永遠の道」


歌劇「花の道より」400回記念チャリティ・スペシャル 「花の道 夢の道 永遠の道」、12/23初日を観てきました!

司会はお久しぶりの檀れい。・・ひどかったですね(笑)。振袖姿はキレイでしたが。
あれなら、下級生のキレイな娘役にいきなり台本を渡してしゃべらせても同じだったんじゃないかと思う位。
台本持ちっぱなしなのに、かみまくるし、書いてある内容が分かって話せているとも思えない棒読みですし、勿論OGとのトークも全然盛り上げられないし・・。

それなのに、「花の道より」の記述を朗読させ、それに絡めて各ナンバーを聞かせる、という構成だった為、朗読者の比重がとても高かったんですよ。ここがキレイにキマっていたら、公演のグレードが随分違ったのではないかと思います。
当日の朝、はじめて台本を渡したのだとしたら、劇団側の人選ミス。
前々から渡されていたのだとしたら、他のOGの面々が、かなり本気で良い歌を歌ってくれただけに、あれでは失礼なのではないかと思いました。

一部は「花の道」。小林公平氏が永年の夢であった、オーケストラの指揮をとるというもの。
演奏は宝塚オーケストラ。曲は甲斐先生オーケストレーションによる、「夜明けの序曲・変奏曲」。
「夜明けの序曲」主題歌は耳馴染みがありますが、そのメロディーが出てくるのは終盤で、約20分の演奏の前半は初めて聞くようなメロディでした。
公平氏は、ちゃんと譜面を見ておられましたし、それも「適当に(譜面のページを)めくっているのではないか」と疑って見ていたりしたのですが(^_^;)、途中で3拍子や2拍子になるタイミングもちゃんと合っていましたし、演奏するパートに向かって合図を送ったりもしていましたし、ちゃんと覚えておられるんだなぁ、すごいなぁ・・と思いました。

二部はOGによる「夢の道」。もともとこのOG出演メンバーを見て観劇を決めたくらいなので、楽しみにしていたのですが、開演前にプログラムを見て各々3曲もある! しかも思い出の曲が多い! 来て良かったと思いました。

まずは、現役時代の曲を2曲ずつ。1曲は、まぁ、代表作でしょう。それと、もう1曲はこのイベントにちなんで、小林先生との思い出の曲を・・。という事で。

姿月あさと「未来へ」「星空伝説」。「星空伝説」は香港公演からの曲で、小林先生からのリクエストだそう。
「未来へ」は大好きな曲なので、また聞けて嬉しかったです。1曲目の出だしは少し緊張していたかも。

一路真輝「愛と死の輪舞」「明日になれば」。一路さんは退団後のコンサートでも何度かトートのナンバーを聞かせてくれているのですが、もうすっかり女性の声でボイストレーニングしなおしているようで、トートのナンバーでは「あぁ、もうあの現役時代のような低い声は出ないんだな・・」と思っていたんですよ。
今回の「愛と死の~」も出だしは少し緊張していましたし、現役そのままとは言えないですが、それでも退団後聞いた中ではあの低い声も良く聞く事ができて、もう震えました(^_^;)。
「明日になれば」の前に「女になります」と、それまで着ていたコートを脱いで、肩の見えるドレス姿に。「おぉ~」と思わず客席がどよめいていました。こちらの歌の方は文句なし。現役時代よりも情感が高くて良かったかも。

麻実れい「君はマグノリアの花の如く」「ああ君を愛す~はばたけ黄金の翼よ」。ムード満点でとにかくかっこ良かった(*^。^*)。「君は~」の方は、「スカーレット・・僕はあの樫木屋敷で・・」の台詞付き。これもシビれました。
そして、個人的には思い出の作品「はばたけ」の歌が聞けて大興奮(^_^;)。
わざわざ沢山の作品から「はばたけ」を持ってくるからには、あのラストシーンのように、「深い霧の十字路で~」と歌うターコさんの背中に向かって、今にも下手花道から一路さんがキャピキャビ出てくるんじゃないかと(笑)、めちゃめちゃ(開演前から)期待していたのですが・・なかったです。残念~。
「遙かなる栄光の道~♪」の方は、手拍子もあって、ターコさんにはめずらしくノリノリの雰囲気。

鳳蘭「セ・マニフィーク」「さよならは夕映えの中で」。こちらも黒エンビで、とにかく明るく華やか。檀ちゃんの司会振りに軽くツッコミも入れてくれたトークも楽しくて、時間が短かったのが残念でした。

その後、最近歌っている曲だろうと思える曲を1曲ずつ。
姿月は「タンホイザー」。白のドレスで朗々と。最後の歌い上げの声量はずんちゃんならでは。
一路は「星から降る金」。「モーツアルト!」の男爵夫人を中日と博多限定で一路さんがしたばかりで、この曲聞きたさにどちらかまで行こうかと(^_^;)かなり悩んだ所だったので、生で聞けてラッキーでした。やはり良かったです。
麻実は「愛の賛歌」。これも良かった・・。そればかりですが。白と黒の幅の広い縞のドレスも素敵でした。
鳳は「歌いつづけて」。「舞台の上でライトを浴びながら死ねたら本望」みたいな、ツレさんらしい華々しく貫禄たっぷりの歌でした。

どの人も迫力たっぷりに歌っていて、本来ならこの曲の後に歌う人は運が悪い・・と思う所なのですが、歌い手が変わると、場の雰囲気がガラッと変わって、もう前に歌った人の余韻が消えてしまうんです。どの人の場合でも。
それがすごいと思いました。
この後、「TAKARAZUKA FOREVER」を4人で歌ったのですが、各々の歌の個性が強すぎて、歌い出しが全然揃わなかったのがご愛敬(^_^;)。4人もお互いの顔を見合わせて苦笑していました。

そして、その曲を歌いながら、銀橋を渡る4人の迫力に圧倒されました。他の3人の個性と言うか、存在感があまりにもすごかったので、姿月が意外と普通に見えたかも(^_^;)。あの姿月がですよ。
もう、すごく贅沢な、良いものを観たと思いました。

三部は現役生による「永遠の道」。もともと期待はしていませんでしたが、OGが私の予想以上にたっぷりとサービスしてくれたおかげで、完全に迫力負け。
二部の気持ちのままに歌を聞くと、安蘭けいの圧勝でした。ちゃんと聴かせてくれたのは彼女だけだったと思います。春野寿美礼がいれば、そんな事にはならなかったでしょうけれど・・。

ラストは来年のベルばらの歌を早くも聞かせてくれて、これは湖月わたる、朝海ひかるともどもさすがに良かったです。あまりにも派手にイベント化されている公演なのでついつい気分が引いてしまうのですが、「我が名はオスカル」を歌う朝海を観ながら、そう言えば、朝海のオスカルは本命配役だったよな~、と思いました。
「愛あればこそ」の湖月&朝海デュエットもピッタリ。「素直にこの本命配役をたっぷり見せてくれよ~」と言わずにはいられない私です(^_^;)。

そして松本悠里の祝舞。出雲のカゲソロ。松本は赤い着物で文句なくあでやか。めずらしく銀橋を渡りながら踊っておられました。まだまだ健在ですね。

そして、ようやく大階段でのコーラスで全員登場。このほんの短い出番だけだった生徒がほとんど。

高い座席料金も、私はB席で観たのでそんなに気になりませんでしたし、現役生が大した事をしないだろうのは予想できていましたし、金額もチャリティだと思えば十分良かった気になりました。
生徒は沢山観られましたし、OGもかなり豪華でしたし、「花の道400回記念」でこれだけのコンサートが行える小林公平氏は偉大だと、改めて思いました(^_^;)。