雪組全国ツアー公演「銀の狼／ワンダーランド」、梅田芸術劇場で11/6に観てきました！

「銀の狼」。初演から好きな作品だったので、再び観る事ができて嬉しかったです。
実際観る前に、久しぶりに初演の録画を観た時から思っていたのですが、当時の月組主要メンバーは若かったんだな～、と。そして、朝海ひかる、舞風りら、水夏希は既にかなりのキャリアがあるので、意外と芝居は面白くなるかも・・と思っていました。
実際の舞台も、予想通り、大人っぽくて、素敵だったと思います。

朝海のシルバは銀髪が良く似合い、とてもキレイでした。クールな殺し屋の面が、よりかっこ良く、似合っていたと思います。
舞風のミレイユは大人っぽく、落ち着いて見えました。
水のレイが初演との役作りの違いを一番感じました。大人っぽく渋く作られていて、水の魅力が出るように役を変えたら、こういうキャラクターになるのか、と思いましたね。悪く言えばちょっぴりおじさまっぽく(^_^;)、良く言えばレット・バトラーのような色気がありました。

ただ、各々のキャラクターが大人っぽくて素敵だけれど、全体にクール。物語の緊迫感、熱さが物足りなかったです。シルバにしてみれば、記憶がないという苦悩。ミレイユにすれば、自分の命がどうなるかというギリギリのラインでの必死さが。

一番の冒険配役だろうけれど楽しみにしていた音月桂のジャンルイ。見事な悪者っ振りでした(^_^;)。
その人物像は、初演の久世星佳のような大人の複雑さはなく、分かりやすくストレート。何もかも手に入れたいという男らしい野心と、それができると信じきっている自信に満ちあふれた、キラッキラの悪(ワル)でした。
「私が愛していた事を知っていたか」も切なさ0(ゼロ)。無理矢理キスをした後に、ニヤッと笑われたのにはもうメロメロ(笑)。後で友達とも話していたのですが、このジャンルイなら、名曲「悔恨」を歌うのは変。だって後悔していないもの(^_^;)。
その点、真面目に語ったら確かに何かが足りないのかもしれないけれど、音月らしい魅力あるキャラクターで良かったです。私って、改めて悪者好きだな～、と思いました(^_^;)。

見た目どう見ても国務大臣にしては若すぎる、しかし堂々と存在している姿はちょっと天才少年か超人化しても見え(また出た)、個人的には「カステル・ミラージュ」全国ツアー公演で観た久遠麻耶のテイラーを思い出しました。
まぁ、音月の方が上手いと思いますけれどね・・。

トランティニアンの凰稀かなめはキレイで優しげな持ち味そのままの警部さん。
ジャンヌの愛耀子がかなり上級生という事で、そういう役作りにしているのだろうけれど、ジャンヌには全く歯が立たない感じでした(^_^;)。
それはそれでアリだと思うけれど、初演を観ているものとしては、二人の間にちょっと良い関係(?)みたいなものが見えないのは、物足りなくはありましたね。
役にピッタリだと思える山科愛がメンバーに入っていただけに、ジャンヌは山科に演って欲しかったな～、と思います。

シモーヌの早花まこは本来可愛らしい容姿の人だったと思うのですが、人気の娼婦というには、華やかさや可愛らしさが感じられずもう一つ。
バチスタの沙央くらまは、等身大の青年役で安心して観ていられました。

ショーの方は、今となっては、一番印象に残っているのが中詰のメドレー。
全国ツアーという事で、最初が大湖せしる＆蓮城まことのナンバーから始まるドキドキの展開で(笑)、大劇場ではなかなか観られない目新しさが、嬉しかったです。

芝居でのインパクトと、役替わりの激しさで、ショーもついつい音月を良く観てしまいました。大劇場ではあまり観ていなかったみたいで知らなかったのですが、意外というか、流石というか、キザですね～、アピール強いですね～、びっくりしました。
ハーレムの旅人役も、本来「美女に翻弄される」という設定ではなかったかと思うのですが、どう見ても自分からガンガン攻めている(^_^;)のが面白かったです。

ロケット前の若手男役4人(凰稀・沙央・大湖・蓮城)を率いてのナンバーも、落ち着いていて頼もしく、とても楽しい場面になっていましたし、フィナーレナンバーで朝海や水と並んで踊っていても、小柄なイメージがあったのですが、堂々としているせいか、朝海や水がとても細いせいもある気がするのですが(^_^;)、貫禄負けしていない気がしました。
それだけに、パレードで羽根を背負っていなかったのが、返って不思議な気がしましたね。

凰稀はカウボーイのナンバーを担当していましたが、濃～い紫のカウボーイの衣装であっても、どこかヨーロピアン?!(^_^;)　爽やか～な風が吹いていました。

後は栄光の場面のメインに舞風が入っていて、キビキビしたダンスが見られたのも嬉しかったです。これもついつい舞風の方ばかり観てしまいました(^_^;)。