花組バウホール公演「スカウト」


花組バウホール公演「スカウト」、3/26に観てきました!

正塚先生の最新作。ハードボイルドとファンタジー、異質な2つの要素が組み合わされば、舞台に一風変わった面白みが・・とプログラム等に書かれていて、確かにその通りの面白い作品だったのですが、以前花組で公演された「カナリア」に似ていますよね(笑)。
はっきり覚えている訳ではないのですが、悪魔が出てくる所とか、ラストのチャンチャン!なオチのニュアンスとか。黒と白の対比も。
舞台の使い方は昨年の「BourbonStreet Blues」や今年の「文化祭」と同じですし。いや、つまり、どの作品も逃さず観ている私もどうかと思うのですが(^_^;)。

しかし大変気に入りました。出演者のスター度を気にしなければ、こちらの作品をドラマシティでやった方が良いと思う位です。
それはもう、主役ショーンの蘭寿とむがかっこ良かったから! 過去のバウホール主演が3本とも日本物、という、ちょっとあり得ない経歴を乗り越えた蘭寿の、私がもしファンだったら、この作品を観たら泣いて喜んだだろうと思います(笑)。
まず見た目が良い。長髪も、スーツ姿も、良く似合っていました。研十を超えた男役の充実を感じます。出番が多く、名実共に舞台を引っぱっていました。
見た目は男らしいのですが、相手役や他の人間に対して優しい役柄なのがまた蘭寿らしい。悪魔にしっちゃかめっちゃかにやられている可笑しみも蘭寿らしい(笑)。
正塚先生は座付作家としては良い仕事していると思いますし、蘭寿も作品以上に良く答えていると思いました。

サーシャの華城季帆。「落葉のパレルモ」のフェリーチタに引き続き、教会(正確には今回は違いますが)でお祈りする女性役ですが(^_^;)、それが似合う清らかな雰囲気が良いですね。歌声も澄んでいてキレイ。スタイルが良いので、白のパンツスーツがとても似合っていました。

そして、ラルゥの桜一花! 上記の2人もとても良かったですが、この作品を観てどうだった? と聞かれたら、「桜一花が可愛かった」と答えるでしょう。
例の蘭寿をしっちゃかめっちゃかにする悪魔役なのですが、可愛くて上手くて最高でした。蘭寿との掛け合い漫才の場面(注:違います)は、アンコールしたかったくらい。
「La Esperanza」のイネスといい、正塚先生は桜を上手く使ってくれますね。

サムの愛音羽麗。観ていて「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の博士みたいなキャラクターだな、と思ったのですが、今回は徹底して二枚目半に抑えて演じていて好感が持てました。このような役でも上手いですね。
アズの未涼亜希。いつもと違うキツめの化粧で、最初は誰だか分からなかったのですが、かっこ良かったです。そういえば容姿はクールなんですよね(^_^;)。お芝居はやはりこちらも達者で、面白かったです。

ショーンの元恋人役で野々すみ花が抜擢。少し丸くなったかな? と思いましたが、研二になったばかりとは思えないくらいキリリとかっこ良く、上手でした。「落葉~」の子役といい、かなり期待できる娘役さんです。

他で安定したお芝居が観られた気がするのが、高翔みず希、悠真倫、花純風香、嶺輝あやと、扇めぐむ。
以下でも顔の分かるスターさんが沢山出ていましたが、照明が暗めであまりしっかりと見られなかった気がするのは残念。
あと、衣装のせいもあるかもしれませんが、男役で特に、ぽっちゃりした人が多いのは気になりました(^_^;)。