星組バウホール公演「それでも船は行く」涼紫央主演バージョン


星組バウホール公演「それでも船は行く」、3/5に観てきました!
太田先生のコメディ。設定は確かにどこかで観たようなオーソドックスなものですが、楽しくて良かったです。
ただ、普通の観客として観れば、「役者が足りないなぁ・・」とは思います。
それは「くらわんか」でも感じましたし、今年のバウは実験的なもの、今回配役されたメンバーを考えると、当然なんですよね。
この公演をどういう立場で批評すれば良いのか、と考えると難しいです。新人公演と同じではいけないような気はしますし、かといって、本公演だと思えば弱いのは当たり前のメンバーですし。
値段が昨年までと同じ4500円というのが・・微妙なんですよね(^_^;)。明らかに質が違いますから。それを思うと、もう1~2人、魅力ある男役等を中日組から持ってきて欲しかったような気はします。
しかし、若手の活躍を観るのは今回も楽しく、ファンとしては、退屈はしませんでした。

そんな公演の中でもヒットだったのはヒロインの妃咲せあら。キレイだけれど、今まで出てきていないという事は上手くないんだろうな、と思っていたので(^_^;)、しっかり演っていて驚きました。
カラリとしたアメリカ娘の雰囲気が良く出ていて、見た目やスタイルが良くて華やか。台詞も上手かったですし、歌は声が少し細いけれど音程は外れていなかったですし、ダンスも悪くない、十分な出来でした。これからが楽しみです。

主役の涼紫央も悪くはなかったです。しかし、役者の足りなさも主役の魅力でカバー! という程の魅力がないのが、この公演の上記のような印象につながっているような気がします。
坊ちゃんぽい、ほんわかした印象は割と役に合っている気がしますが、「あっちへフラフラ、こっちへフラフラ」のお調子者っぽさはあまり感じませんでした。
あと、特徴のある台詞や歌の声が、少し気になります。

マイク・コナーの銀河亜未は、今まで新公でも回ってこなかった位の大役ではないでしょうか。最近では「花のいそぎ」の一休さんみたいな(ちょっと違う)学友役がなかなか良く、個性的な役や子役の印象が強かった人なのですが、意外と良かったです。
白タキシードに前髪を上げて出てきた時にはちょっぴり驚きましたが(^_^;)、そのタキシードや薄紫のスーツなども思ったよりもキレイに着こなしていて、なかなかの二枚目に見えましたよ。
台詞や歌もまずまず。主演コンビよりも身近な役でもあるせいか、応援してあげたくなるような真面目で可愛い新聞記者君でした。

ジュリア・ガーネットの仙堂花歩も準ヒロインらしい好演。歌の心地よさは格別。
リンダ・ボーモンは、申し訳ないけれど、もう少し美しい人に演じて欲しかった良い女の役でした。朝峰ひかり自身はキレイに出ていて、上手でしたけれど。
ハロルドの立ともみは彼女らしい好演。
ヘンリーの美稀千種はコミカルな役を徹底して演じていて、楽しかったです。かなり作品の助けになっていますね。

他の下級生も人数が少なく、ダンスナンバーも多く、全員が良く見られて嬉しかったです。
鶴美舞夕が男役ではリーダー格で、歌も芝居も少しずつ上手くなっている気が。
紅ゆずるが頭が小さく、背が高く、キレイで一際目立ちますが、歌も芝居もダンスもまだひょろひょろしていますね(^_^;)。
娘役では接客係の梅園紗千が少しゴツいけれど、面白かったです。