月組新人公演「JAZZYな妖精たち」


10/18月組新人公演「JAZZYな妖精たち」を観てきました。

このピュアな物語、観ていると、がんばって演じている生徒にイチャモンつけるのは悪い気がしてくるのは、私だけでしょうか。やるな・・谷先生(^_^;)。
しかし、そんな事を考えていたら感想が書けないので、いつも通り、素直~に語らせていただきますね。

新公担当が荻田先生?! というのを事前に話題にしましたが、本公演を一度しか観ていないせいもあり、あまり違いは分かりませんでした(^_^;)。
ひとつ気づいたのが、パトリック(真野すがた)の登場シーン。庭の奥から、確かオサリバン(朝桐紫乃)と出てきた事。パトリックのその時の境遇がより伝わったと思います。

パトリックの真野。今までの舞台から、あまり期待はしていませんでしたが、その先入観通り・・。
いつものように立見で観ていたのですが、銀橋で歌っていても、オーラが、パワーが、7~8列目までしか届いていないように感じました。それ位の席に座っている人なら、キレイですし、結構満足しているかも。

良かったな、と思ったのは上記の登場シーン。タキシードが良く似合い、文句ない二枚目でした。スター揃いの85期の中でも、見た目の宝塚らしい二枚目度では一番だと個人的には思うんですよね。色気もあると思います。

本人それを目指したのかどうかは分かりませんが、瀬奈じゅんのパトリックはバカがつくほど正直で、それが皆の共感と支持を得ていく・・という人物だったと思うのですが、真野はそうは見ず、何かもっと裏を考えていそうな、シャノンの妖精話にも、適当に合わせているような、すっかりアメリカの世界に染まった大人に見えたのが意外。
この作品のパトリックは、瀬奈がバカ正直に見えたとしても、そのまっすぐな人の良さのようなものが出ないとダメなんだな・・というのが良く分かりました。

ウォルターの青樹泉。この役、役者に当て書きされているこの作品の中では、新公有利のおいしい役だと思っていたのですが、もう一つ、良さが見えませんでした。確かにスーツを着た姿は、長身が生きてスラリとしていて良かったけれど、声に迫力がありません。
前回新公主演者として、宙組の七帆ひかるのようなガッツというか、なにくそ根性というか(笑)、そういうものを見せて欲しかったです。「BourbonStreet Blues 」の時は真野よりも青樹の方が上手いかな、と思ったのですが、今回はどっちもどっち。歌の場面では失礼ながら、本当にこの人がトートを演ったの? と思いました。

ティモシーの彩那音。他の同期2人に比べれば、肩の力が抜けて、一番のびのび演じているように見えました。
本役の大空祐飛そのものの役のような気がしていましたが、彩那でも役の雰囲気が良く出ていたと思います。
歌も3人の中では一番マシに思えました。

シャノンの城咲あい。プロローグの白のスカートから伸びる脚が見事です!(まずそこなのか?) 特にプロローグの後半、ピンクのソフト帽で出てきた時には、他の男役の押しが弱いせいもあり、彼女がトップスターに見えました。
プロローグの衣装に限らず、彩乃かなみと同じ衣装を着ているとは思えない時が、度々あったのには感心。しかし見た感じ愛らしく、芝居が上手かったのはやはり彩乃。しかし、こちらの役でも十分みられる安心感はありました。

そして、ロージーの夢咲ねねが可愛かった! こちらも別の意味で、城咲と同じ衣装とは思えない時がありました。
今回のような見た目なら、抜擢も納得。「Bourbon~」のシンシアのビジュアルがいかにまずかったかが、良く分かりました(^_^;)。
演技的には城咲そっくりで、上手くはないけれど、元気の良さは出ていました。

ミックの明日海りお。きれいで、台詞も上記の男役3人組に比べると安心して聞けますが、見た目可愛過ぎて男役に見えないのが辛い。

龍真咲がオーベロン役。本公演を観た時から、「エリザベート」で聞いた評判の割には小さな役だな、と思っていたのですが、見事に美しいビジュアルで出てきてびっくり。
これぞ小さな役を振られたスター候補の、正しい結果の出し方だと思います(^_^;)。

しかし、私の今回のお楽しみは、どちらかと言うとエシルトの榎登也の方だったのですが・・語って良いですか?(^_^;)
このままではまずいですよ~。ロケットの頃から、一生懸命、顔をくしゃくしゃにしてまで笑顔で踊っているのが好きではあったのですが、いつまでもそれじゃ、ダメです。
本来の美しさが、客席から見えないです。今回も隣の龍の方が断然キレイに見えるなんて、私としては納得いかない(笑)。
歌も、時々良い声が出ているな、と思う時もありましたが、台詞ともども声が安定していないので、今の状態では、上手くて目立ったとはとても書けないです。
何よりも、一度大きく深呼吸して、肩の力を抜いて、舞台に立ってみて下さい。
そうすれば、もうすこし、キレイなのが目立つ筈です。

ついでに同期つながりで、オーエンの白鳥かすがは、選挙運動員の中では安定した台詞回しで良く目立っていました。
麻月れんかは踊っている時は「一色瑠加が特出しているのかな?」と本気で考えた位、良く似ていました。本公演でも、かなり落ち着いた男役らしくなってきているのが目につきます。医者の方もなかなか渋く、「Bourbon~」に引き続き、意外とこういう雰囲気になっていくのかな~、と思いました。
綾月せりは、妖精のレプラホーンだったのですが、妖精は他を観るのが忙しくてあまり良く観られませんでした・・帽子を落としているのは気づきましたが(←いらない所だけ見ている・・)。ごめんなさい~。

他では、マクガバンの星条海斗が、ダンディな大人の雰囲気と、落ち着いた台詞で、今回のメンバーの中では目立つ安定感。
サラの音姫すなおが、組長の役らしく、お姉さんらしい感じが出ていました。

若手では、ピクシーの光月るうが、「Bourbon~」のイメージからすると、台詞の声も、見た目も可愛らしくてびっくりしました。歌は一箇所マイクを落としていたみたいですが、後はまあまあ。
「Bourbon~」B班のスマイル役で私の中でプチブレイク中(^_^;)の彩星りおんは、選挙運動員の中にいました(←探した)。台詞はやはりしっかりしていて良いです。

冒頭のアイリッシュダンスに娘役がいたのも、なかなか新鮮で良かったです。