花組大劇場公演「ファントム」


まだ初日あけたばかりで、これからどんどん良くなってくるだろうと思いますが、もう一度観られるかどうか微妙な情勢なので、とりあえず書かせて頂きます~。

初演の宙組を細かく覚えている訳ではないのですが、衣装、演出、ダンスナンバー等に色々と違いがあり、組の違いもあり、ずいぶん印象も変わっていました。

まず・・従者のイケメン度が・・(やっぱりそこからなのか?? →宙組ファントム評)。
いかに当時の宙組若手に長身美形が多かったのかが分かりました(^_^;)。
中では、筆頭の貴怜良が濃いめの化粧とダンスの動きがかっこ良くて、よく目につきました。
従者全体に、髪型が乱れ気味と言うか、飛ばし気味にしていたようなのですが、それがもう一つという気も・・。

反対に、ファントムの春野寿美礼はものすごく身なりが端正。ロングの黒髪はきちんと櫛がとおっているようでしたし、衣装も春野に合わせてブラウス、ロングブーツの貴公子風で、その見た目がまず和央ようかとは随分違いました。
役の印象も、オペラ座の地下に住むファントムだという恐ろしさがさらに減り、最初から「地下に幽閉されている可愛そうな青年」の色が強かったと思います。
とにかく歌が良かったですね~。幕開けのソロからトロけさせて頂きましたよ(笑)。
新しい相手役の桜乃彩音が美しいだけに、一幕ラスト頃には彼女を追い求めている感が少し出ている気がしたのも新鮮。
けれど、「顔が醜いんだ」という悲壮感、叫び出しそうな孤独感が和央の方がずっと感じられました。まだまだこれからでしょうけれど。

クリスティーヌの桜乃。見た目の雰囲気、初々しさも含めて、クリスティーヌのイメージにピッタリでした。
歌は、あまり得意でないのは知っていましたが、やはりナンバーによっては辛い。花總まりでも皆から「素晴しい声だ」と言われ続ける役は辛いと思っていましたが(^_^;)。桜乃はもっと辛い。
けれど、春野との「You Are Music」、ビストロでのソロ、「My True Love」など、ここ一番の曲は割とキレイに聞かせていて良かったです。返って別に必要なかったフィナーレナンバーが一番マズかったかも。
そうは言っても、「素晴しい声」と「クリスティーヌのイメージに合う美しさ」のどちらを取るかと言われると、私は宝塚ファンだから後者(笑)。まぁ、良いのではないでしょうか。

しかし正直、この日観た時点では、和央と花總の実力がいかにすごかったかというのも実感。
この二人の存在感は宙組の中では浮いていたと思うのですが、さもありなん・・と。

キャリエールの彩吹真央。思い切った大きめのヒゲを付けることで、坊ちゃんっぽい持ち味を押さえようとしたのでしょうか。確かに老けて見え、父であるというのに説得力がありました。
樹里はそれほど見た目から作らなかったので、父であるというのを知った時の驚きが大きかったのですが、それに少し違和感があったのも確かなので、どちらが良いかというと微妙ですね。とにかく、樹里とはガラリと違うアプローチで表現していると思います。
そのヒゲの為か、表情の動きが分かりにくく、全体に固く、暗く、落ち着いたイメージ。暖かみ、人間味が物足りないと感じるのは、樹里のイメージが強すぎるのでしょうか。
二幕の春野とのデュエットは期待通りに素晴しく、聞いているだけで涙が出そうでした。

シャンドン伯爵の真飛聖。見た目に品がありキレイで、女の子の憧れの伯爵様にピッタリでした。
やはりこういう王子様系、白い役の方が良いのではないかという気がしますね。
銀橋のソロ、桜乃とのパリの夜のナンバーが思った以上に不味くてビックリ。もう少し歌えると思っていたのですが・・。

カルロッタの出雲綾は相変わらず素晴しい! けれど、この役を演る別の人も観てみたい。具体的には思い浮かばないですが。
ショレの夏美ようは上手いけれど、すごーくイメージに合わない役で、男前な夏美が好きな私にはちょっと寂しい(^_^;)。

団員等で愛音羽麗、未涼亜希、桐生園加が少し目立つ役どころ。
愛音は若かりし頃のキャリエールも良かったですが、何と言ってもカルメンリハーサルの白軍服のスター役での、出のハリキリっ振りに驚きました(^_^;)。すごいアピールです。ファントム様との対決も見もの。
未涼はオーベロンの扮装で、得意の歌が聴けたのが嬉しい。
桐生はどちらかと言うと、従者で観たかった気が(^_^;)。かっこ良かっただろうな~、と。

「エンカレッジ・コンサート」で良い声を聴かせた花咲りりかがベラドーヴァで早速活躍。やはり良い声でした。
はかなげなイメージは華城季帆で観たかった気もしますが、それだと幼いエリックは野々すみ花ですし、「落陽のパレルモ」と同じになってしまいますね(^_^;)。
その華城は、ロケットで美脚は見れるわ、エトワールで美声は聴けるわ、大活躍でした。遠野あすかが抜けて二番手のようになっていましたが文句なしです。

他では文化大臣の悠真倫、カルロッタ付き人の花純風香のスタイ・レポーターコンビが、生き生きしていて気持ちいいです。