宙組新人公演「NEVER SAY GOODBYE」


宙組新人公演「NEVER SAY GOODBYE」、4/11に観てきました!

新公担当は小柳先生。本公演を1度しか観ていないので、細かいカット部分は分かりませんでしたが、現代の語り手エンリケ・ロメロ(澄輝さやと)とペギー・マクレガー(妃宮さくら)に序盤のハリウッドの件まで語らせ、スペインから物語が始まっていたのはスムーズだと思いました。
本公演では、パーティ会場での花總まりのベージュのドレスや作家仲間とのナンバー、和央ようかのアトリエのシーンのナンバーが特に好きだったので、ここがカットになればがっかりすると思いますが。まぁ、新公キャストなら別に良いかな、という気も(^_^;)。

ジョルジュ・マルローの早霧せいな。正直、観るまでは「彼女にこんなに簡単に主役が回ってきて良いのか?」と思っていましたし、ましてや「歌の苦手な早霧に一本ものミュージカルで初主演って!」とも思っていたのですが、良かったです。和央とは余りにもキャリアも持ち味も違うので、比べる気は起きないのですが、今までの早霧比でいくと、びっくりする位良い線までまとめて来たと感心しました。無難すぎていつものハチャメチャさがなく、つまらなく感じた位(何を期待しているのでしょうか^_^;)。
まず幕開け、白のスーツ姿で登場した時に「ちゃんと大人に見える~!」と思いました。今まで「男の子」にしか見えなかったのに。
前から思っていたので既に書いた事があるような気もしますが、声が音羽涼に似ている気がしませんか? 見た目はあまり似ていないと思うのですが、彼女を観ているとなぜかいつも思い出します。やんちゃっぽさが重なるのかも。
歌も、ラスト付近のスローなナンバーは少し辛かったですが、他は十分聞けました。大健闘でしょう。

キャサリン・マクレガーの花影アリス。「ファントム」新公は見逃しているので、ヒロインを観たのは始めてなのですが、評判通りの実力でした。
特に歌が良く、「愛の真実」は花總よりも上手いのではないかと思った位。この時衣装の胸のボタンが外れてしまったのには、ちょっとドキドキしましたけれど(^_^;)。
体型のバランスがあまり良くないのが惜しいですが、今回の大人っぽい衣装や化粧、髪型は思いの他良く似合っていました。

ヴィセント・ロメロの春風弥里。スッキリと長身でスタイルが良く、キビキビとした身のこなしは樹里咲穂を思い出させました。顔は大空祐飛に似ているかな。黒めの化粧が良く似合い、大人っぽくて素敵な男役さんですね。
全体に良く訓練されていそうというか(^_^;)、実力派で落ち着いた舞台でしたが、歌が大和悠河よりはマシかな? という程度だったのが弱点か。これからがんばって欲しいです。

他の「センチュリア・オリンピアーダ」メンバーでは、センターの蓮水ゆうや、鳳翔大が高身長の二枚目で、戦闘シーンでの春風を含めた同期3人並びは壮観でした。群舞シーンは覇気があって良かったですが、二人とも台詞や歌はもう一つ。
蓮水は素顔の方がずっと男前に見えるので、化粧や髪型にもっと工夫が欲しいです。
鳳翔は見た目だけなら間違いなく将来の主役候補だと思うのですが、今のままではこれ以上良い役がついても観客に怒られそう(;_;)。好きな生徒さんだけに敢えて言いたいですが、今すぐ全力で(^_^;)何とかして欲しいです。
実力で言うと、凪七瑠海がやはり安心感がありますね。今回は役のせいか余り目立たなくて地味でしたが。

フランシスコ・アギラールの和涼華は端正で美しく、さすがに存在感がありましたが、意外と恐さ、迫力がなかったです。ふんわり優しい素顔(?)が邪魔をしたのかもしれませんね。
コマロフの暁郷は、反対に見た目に迫力があり、役の雰囲気が良く出ていました。台詞の声も良い。

エレン・パーカーの咲花杏は、愛らしい見た目が紫城るい程の美人女優の雰囲気が出なくて惜しいですが、キレイで歌も上手くて良かったです。
テレサの舞姫あゆみも安定して上手く、大人の良い女の雰囲気が出ていました。

歌ではアニータの和音美桜。上手いし、役の大人の雰囲気も出ていたし、存在感は抜群でした。もっと良い役をつけてあげて欲しいです。
その和音が本役のラ・パッショナリアは、これも期待の歌手の葉室ちあ理。張り上げる所の声が上手く出なくて思ったよりももう一つ。いかにこの歌が難しく、和音が上手いかが良く分かりました(^_^;)。

他にも歌える子が割と多く、中でも市長の真央あきと、パオロ・カレラスの八雲美佳は期待通りで良かったです。
この新公の成功は、大きなソロを歌う子に割と上手い子が多かったのと、初舞台生が加わり人数が多く、コーラスに新公である事を感じさせない迫力があった事が大きいと思います。
とにかく思ったよりも良い新公でした。