花組バウホール公演「くらわんか」


花組バウホール公演「くらわんか」、(B)(C)(E)バージョンを観ました!
私はもともと若手好きですし、谷先生の落語ものと言えば「なみだ橋 えがお橋」が良かったので、今回も個人的には世間のチケットの売れ行きに反して、観劇前からとても楽しみにしていました(^_^;)。物語は期待通りの力作で、面白かったです。
また出演者に関しても、超若手が多いだけに、上手いと思わせてくれる人は少なかったですが(^_^;)、全員に沢山台詞が振られていて、必死にがんばっている様子が可愛く、期待通りに見ていて楽しかったです。
「半分くらい顔と名前が一致しない・・!」みたいな、マニア心をくすぐる公演で(^_^;)、バウは実験劇場で良いと思いますし、公演期間も割と長く、チケットが取りやすかったですし、こういう公演は私としては大歓迎です。(A)(D)配役も観たいという好奇心を抑えるのに苦労しましたよ。

特に主演の蘭寿とむ、愛音羽麗の台詞の量はすごいですね。あんなに台詞の多い主役って、観たことがないかもしれません。蘭寿、愛音とも、初舞台時の成績が良かったので私の中では「上手い人」のイメージがあり、もともと心配はしていませんでしたが、それにしても本当に良く演じていたと思います。
今日、(E)配役を観てきたのですが、愛音は声が掠れていて、台詞が聞き取りにくい所がありました。毎日のハードな芝居の為かもしれないですし、アドリブ台詞にもあったので、風邪をひいているのかもしれません。その愛音をもり立てようとしているのか、前楽を観たせいか、最終配役で皆慣れてきたのか(^_^;)、他の若手たちが色々な工夫やアドリブを入れていて、公演自体とても盛り上がって楽しそうだったのが印象的でした。
しかし愛音を観ると、蘭寿がいかに上手かったかを感じますね(^_^;)。笑わさなければならない台詞が流れてしまわず、ちゃんと可笑しく感じられる所が多かったのは断然蘭寿でした。蘭寿本人としては、やはり(B)で観た時よりも(C)で観た時の方がずっと練れて面白く、配役変更も勉強になるだろうけれど、同じ役をずっと演じるのも勉強になるんだろうな、と感じました。

貧乏神は(B)が朝夏まなと。内容的にも外見的にも薄~い、弱~い所が若干ありましたが、とてもキレイで貧乏神の雰囲気は良く出ていたと思います。(C)の望海風斗は声も良く出ていたし、観ていて安心感がありましたが、朝夏に比べると頼もしそうに見える分、貧乏神らしさで言うと、朝夏の方が似合っていたような気も(^_^;)。(E)の祐澄しゅんは例の前楽公演の為か、演技やアドリブを色々工夫していて、他の二人と違う所が沢山あったのが面白かったです。(C)の安兵衛の時も思ったのですが、歌が割と得意なのでしょうか? 良い声だと思いました。

徳兵衛は(B)が天宮菜生。可愛すぎて遊女通いしそうな大人に見えないのがまず辛い気がしますし、台詞などもまだまだ幼いと思いますが、ラストの歌は割とまともな気が。その声を台詞に使ってくれ、と思いました(^_^;)。(C)の華形ひかるも天宮ほどではないにしても、見た目は可愛すぎて遊女通いしそうにないタイプですが、頼りないボンボンだ、という役柄をちゃんと理解して、見せているのが感じられ、さすが上級生だと思いました。(E)の朝夏は背が高い分、一番無理なく男に見えましたが(^_^;)、青天の鬘が意外と似合わないと思いました。貧乏神の方が見た目が良かったです。

延陽伯は(B)が初姫さあや。声も良く出て上手いですし、見た目も可愛いのだけれど、他の2人に比べるとまだまだあか抜けていないのは、若手ですし仕方ないでしょうね。(C)の桜乃彩音は思い切り良く演じていて気持ちよかったですし、またそれが可愛さにつながっていたのに感心。早くからヒロインに抜擢される人は違うと思いました。(E)の華城季帆も既に活躍している人なので安心して観ていられましたし、例の前楽で他の2人と色々演じ方を変えているのが面白かったです。

小糸は(B)が華城。こちらも上手かったです。トータル3役とはすごいですよね。(C)は桜一花。彼女も3役ですが、期待通りの上手さ。(E)は梅咲衣舞。研一なのに例の前楽で思い切り良く「幽霊ブキウギ」していましたし、見た目もなかなかキレイで驚きました。花組娘役は本当に多士済々ですね。

お初は(B)が姿央みやび。悪くはないけれど、見た目がちょっとゴツいのがもう一つ。(C)の華城は華形徳兵衛と共に、しっかり彼を尻に引いている演技を何げに見せていたのが面白かったです。(E)の桜乃は見た目が艶やかで見とれてしまう程でした。出来も十分。

他では、(B)お里の七星きら、(C)お咲の芽吹幸奈、(E)お咲の花咲りりか、(B)と(E)で源助を演じた日向燦が中では良いかな、と思いました。

汝鳥伶は文句なく頼もしく、城火呂絵は思いがけず最終日の公演を観る事になりましたが、初めて観た頃から変わらずお美しい専科さんでした。最後に面白い役で、楽しそうに演じていて良かったですね。