星組大劇場公演「愛するには短すぎる/ネオ・ダンディズム!」


星組大劇場公演「愛するには短すぎる/ネオ・ダンディズム!」、8/13 & 9/16に観てきました!

「愛するには短すぎる」。初めて観た時、サヨナラ公演という事もあってか「ガラスの風景」を思い出させるような雰囲気で、柴田先生の作品かな? と思いました。
途中で正塚先生の作品だと思い出したのですが、そう思うと正塚先生らしい台詞が続いています。「ホテル・ステラマリス」を思わせるような群衆シーンも楽しく、スターに幅広くちゃんと個性のある役がついているのも嬉しい。
トップスターとその組に合わせて書いたのが分かる、宝塚ファンに嬉しいレトロな作品で、とても良いと思いました。

「ガラスの風景」を思い出させるのは、パステル調の色合いのせいか。正塚先生はよく柴田先生の助手をしていらしたからかな? 正塚作品で「宝塚らしいレトロな作品」だと思う日がくるなんて?! と思っていたら、原案が小林公平氏なのですね。
どうりで昔懐かしい気がすると思いましたよ(^_^;)。
長い宝塚ファンの方、昔宝塚ファンだった方に、ぜひ観て欲しい作品です。
人によるでしょうけれど、私は今までの作品を観ても、小林公平氏原案の作品は悪くない気がしますね。

公演期間の始めと終わりに2度観たのですが、1ヶ月開いて観た2度目は皆演技が濃い濃い。演りすぎの人続出(特に感じたのが、安蘭けい、高央りお、天霧真世。意外と立樹遥もかなり・・笑)。
さすが星組だと思いました。えぇ良いですよ。楽しいです。
正塚先生らしく、良く考えると大した事件の起こらないさりげない物語なのですが、退屈しないのは星組っ子たちの濃い~演技のせいもあるだろうな、と思いました。

フレッドの湖月わたる。かなりのベテランのサヨナラ公演にもかかわらず、若い坊ちゃん役。でもそれが似合うのが、湖月の良い所。最初に観た時も、2度目の時も、変わらずキレイで良かったです。
2度目の時はさすがに湖月も演りすぎの方向にあって、トップなのに、サヨナラなのに、そんなに情けない顔して良いの~? と思う所もありましたが(^_^;)、それが湖月らしいし、気持ちが伝わって良いとも思いました。
ラストのキメ台詞と、ソフト帽をさっとなでて後ろを向く仕草だけが、妙にその若者の設定から外れて、キマり過ぎる(^_^;)のが気になりますが、それは男役を極めたトップスターのラストシーンの演出という事で、OKでしょう。

バーバラの白羽ゆり。「コパカバーナ」に引き続き、美人の女優(?)役ですが、そういう華やかな役が似合いますね。
低めの声が大人っぽくて、湖月のフレッドとそれほど年が離れていないような、大人っぽい雰囲気が良かったです。

アンソニーの安蘭けい。幕開けの歌だけで、湖月ファンなら、いやファンでなくても泣けるのではないでしょうか。今回ショーでも感じたのですが、いつのまにこんなに泣かせる歌を歌うようになったんでしょうね・・。個人的には、アイーダ以降くらいの、結構最近にまた上手くなったような気がするのですが・・。
役の方は二番手にありがちな主役の友人役でしたが、これが湖月とデコボコの良いコンビで(^_^;)、楽しくて良かったです。
あまりにも二人の持ち味も、見た目も違っていて、二人ともそれが分かっていて張り合ったりしないから、良いのかもしれませんね。
たぶんわざとだと思うのですが、湖月が安蘭を抱えたりする振りが多くて、それを見ると「王家に捧ぐ歌」の二人を思い出したりして、不思議な気がします(^_^;)。

他、未沙のえるの執事、マーシャルの立樹、オコーナーの涼紫央、フランクの柚希礼音、デイブの和涼華、ナンシーの陽月華・・と挙げればキリがない位、各スターの個性に合った役が振られていて面白い。
個人的には、サヨナラの見せ場がそれ(ざぶーん)なのか!! と思ってしまった大真みらん。「レモネード・・」の南海まりの可愛さがお気に入りです(^_^;)。

ショーは、岡田先生のロマンチックレビューシリーズ。「ネオ・ダンディズム!」とあって、真矢みき主演の「ダンディズム!」始め、懐かしい雰囲気の場面が多く、これもレトロで良いです。

プロローグのチャイナ服のダンスシーンが渋くかっこ良く、見た瞬間「ここにケロちゃん(汐美真帆)がいて欲しかった!」と思いました(今だに引きずってすみません^_^;)。実際は、現在星組にくぎ付けになる男役がはいないのが寂しい限りなのですが・・。せめて岡っち(嶺恵斗)でもいればなぁ・・(せめてって^_^;)。
このショー場面になると、湖月は芝居での若者を脱ぎ捨てて、貫禄全開。かっこ良いです~。
湖月と言えば、「チャイナ・ドール」の印象が強いチャイナ服なのでしょうか。長身に確かに似合いますよね。

サヨナラを感じさせる星空の場面。大階段での安蘭中心の退団者を含めた場面、湖月と白羽とのデュエット、そして湖月のソロ・・と続く場面も、オーソドックスですが感動的で良かったです。