花組大劇場公演「落陽のパレルモ/ASIAN WINDS!」


花組大劇場公演「落陽のパレルモ/ASIAN WINDS!」、初日と11/20に観てきました!

お芝居は植田景子先生の新作、「落陽のパレルモ」。期待通りの景子先生ならではの、美しい舞台。宝塚らしいラブロマンスです。
しかし、宝塚らしいのですが、私、宝塚ファンですし、ファン歴長いので、甘~い物語も相当数観てきている筈なのですが・・恥ずかしいんですけれど!! 照れるんですけれど! あの、窓から忍び込むラブシーンには(^_^;)!!

「ひゃ~、やっぱり、この作品私にはダメかも~。」と思うのですが、後の拉致事件場面でニコラ(蘭寿とむ)&マチルダ(桜乃彩音)に泣かされ、更に、ひ孫ストーリーの方のヴィットリオ(彩吹真央)&ジュディッタ(遠野あすか)、エルヴィラ(梨花ますみ)に泣かされ、「やっぱり良い作品だわ~。」と思って終わる(^_^;)、という感じです。

ラストは2組のカップルの立ち位置の演出にも問題があると思うのですが、舞台前方の彩吹と遠野の芝居が上手く、感情が良く伝わるので、舞台奥にいる主演カップルがかすんでいる気がします。
ラストの主演カップルの収まり方にも疑問があるんですよね。色々それまでの台詞でフォローはしていますが、母(華城季帆)があんな死に方を目の前でしたのに、その原因である貴族の父親(萬あきら)の申し入れを簡単に受け入れられるものなのでしょうか?
「良かったよ、母さん。」と、「これで僕は貴族だから、アンリエッタ(ふづき美世)と結婚できる。」となるものでしょうか?
だから余計、主演カップルに感情移入できないような気がするんですよね・・。

ヴィットリオの春野寿美礼。軍服が良く似合い、とてもキレイでした。
アンリエッタのふづきはサヨナラにふさわしく、とてもキレイなドレスの数々で、それをキレイに着こなしていたと思います。台詞も情感がありました。

上記のように、ラストシーンにはやや引くのですが、ドンブイユ公爵の萬は今までのイメージを覆す熱演で、存在感があり、芝居を締めていたと思います。
カヴァーレ公爵の夏美ようは、スッキリしたダンディな伯爵様。素敵です。

彩吹・遠野・梨花の現代チームは本当に上手くて良かったです。たった3人で、盛り上がるドラマを見せてもらえました。
彩吹の坊ちゃんっぽい上品さ、遠野の台詞にある通りの美しさ、梨花の古い貴族社会を思わせる厳格さ、それぞれの持ち味に良くあった配役でした。

ロドリーゴの真飛聖は軍服姿が美しく、気品があり貴族役には納得。
しかし、アンリエッタが好きだったのか、家名か財産が欲しかったのか、何を考えているのかもう一つ良く分からない(^_^;)のが、貴族っぽいと言えるのか・・。少し物足りない気もします。

個人的に今回とても気に入っているのが、上にも書きましたがニコラ(蘭寿)とマチルダ(桜乃)。あの「白い手だな・・」の件で、二人の間には何かが芽生えてますよね? ねっ??(^_^;)
あの後、マチルダは予定通り結婚して、ラストの舞踏会シーンで組んでいる朝夏まなとはひそかに夫役なのかと思っていたのですが(^_^;)、婚約は解消されるとプログラムに書いているそうです。2回目観劇した後に知りました。
やっぱり・・芽生えていたんですね? ねっ ??
そういう事にしておいて下さい。そう思って、次回は観るので。(強引)

蘭寿はああいう良い人そうな、優しそうな役が良いですね~。久しぶりに惚れ直しました。
桜乃もいかにも白い手を持っていそうな上品さが、見た目から溢れていました。

そして、フェリーチタの華城! 姿の儚げな美しさ、歌の上手さで物語を盛り上げていました。
幼年時代のヴィットリオの野々すみ花も、研1ながら熱演で上手かった!

フェリーチタ自殺シーンの後の、春野の歌は、とても情感があり良かったです。
ニコラら射殺シーンの「なぜ撃った!!」の辺りも良かったですし・・。
やはりメインのラブの部分だけが、盛り下がる気がするんですよね・・(^_^;)。

ルチアの桜一花も上手く可愛らしく、ベアトリチェの華耀きらりもキレイ。
花組娘役は相変わらず人材豊富です。

ショーは「ASIAN WINDS!」。岡田先生のアジアものと言えば同じ花組の「Asian Sunrise」、と思って、左下の方の公演評バックナンバーを見たら・・ありました。
現掲示板歴も結構長くなってきましたね~。ちなみに、並演は今回と同じ植田景子先生の「ルートヴィヒ2世」でしたよ。どうでも良い話ですが。

「Asian Sunrise」が好きだ! と当時から言っていた、仲間内では少数派(^_^;)の私なのですが、そんな私としては、「Asian Sunrise」の方が好きでした。
衣装や振り付けにアジアの民族的なものを取り入れた、少し毛色の変わったショーだったんですよね。そのテイストが減り、なぜか延々続く服部良一メドレー。嫌いではないですが(^_^;)。
また、花組の割にはますますダンスで盛り上がる場面が減っているのも、物足りなく思う所以かもしれません。今回花組自慢のダンサー、高翔みず希、鈴懸三由岐、舞城のどか、桐生園加、花純風香あたりが、常に良い位置で踊ってはいますが、特に目立つ所がないんですよね・・芝居、ショーとも。勿体ないです。

そんな中、好きなのは・・文句を言ったけれど、服部良一メドレーかな。
もはや、曲目の問題てはなく、沢山のスターに色々な役が与えられて楽しめるという「中詰のメドレー場面だ」という理由で。
若手がキザりながら歌う「山寺の和尚さん」の意外なおかしさ、遠野の「カンカン娘」の可愛らしさが好きです。
遠野はその後のフィリピンの花嫁姿も、とてもキレイでした。

また、歌花由美のソロが、センターで歌うのは退団ならではだと思いますが、納得の上手さ。改めて惜しいです。
そして、春野の「東京ブギウギ」が大好きです(笑)!!
あのスター感。存在感。あそこまでやってくれると、楽しいですね。