宙組バウホール公演「UNDERSTUDY」


宙組バウホール公演「UNDERSTUDY」、8/19に観てきました!

物語は一流の舞台役者を目指す代役たちの物語。まだまだ成長途中な若手の出演者たちと、実際の役の人物が重なる設定です。
そしてこの芝居を通して、出演者たちに大切な色々な事に気づかせ、もっともっと成長して頂こう、という谷先生の愛に満ち溢れていて(^_^;)、悪く言えば、客席から観るとあまり面白くない、谷先生らしく説教臭い物語でした。
しかし、そんな物語で、がんばっている若手たちを見て、「この作品は出演者達にとって、良い勉強になっているだろうなぁ~。」なんて、親心でほほえましく観てしまう所が、宝塚ファンの良い所なのではないでしょうか。

バウ初主演の七帆ひかる。膨大なシェイクスピア劇の台詞に、オペラのナンバー(?だと思う・・)、さらにはコミカルなヴォードヴィルまで、谷先生には思う存分しごかれたんだろうなぁ~、少し声が枯れている気がするのはそのせいではないのだろうか~? と思いましたが、そんな数々の課題を、本当に良くこなしていたと思います。この作品、主演が下手だったら、とんでもないことになっていたのではないでしょうか?
思っていた通りに、長身が時代がかったコスチュームに映え、良く似合いますね。その点では、七帆に合った良い作品だと思います。特に「ロミオとジュリエット」の白い衣装がとてもキレイでした。
また、ちょっぴり悪が似合うのも相変わらず。ポスターを初めて見た時も、「主演なのに悪者?」と思いましたもの(^_^;)。内容では、そういう意味で、ハムレットの少し野心のある役所も好きでした。
ヴォードヴィルも可愛くて良かったですけれど。

ハーミアの花影アリス。今までの舞台で感じていた通りの、安定した上手さでした。
この人で気になるのは、痩せているだけではない、口から肩にかけてのラインがすっきりしないことだけなんですよね・・。
今回、冒頭の興奮している様子が特に、姿勢が悪くてその欠点が目につきました。

ジュリアの和音美桜。2度歌で良いナンバーがあったのですがどれも素晴しく、花影だけでなく、主役の七帆もかすんでしまいそうな勢い(^_^;)。この人の歌のパワーは本当に凄いです。
それに加え、舞台コスチュームも良く似合って華やか。がんばり屋な役柄が良く似合い、オーディションに落ちた件の演技も上手かったです。
上手すぎて、彼女が宝塚の娘役として上手くやっていけるかどうか心配になる位ですが、ぜひ大切に使ってあげて欲しい人。
文句をつけるなら、私服の衣装、髪型がイマイチだった事くらいですね。

ベテランでは、美郷真也が持ち味そのままの面白さ。だって、美郷真也がヒゲつけて「パック」したら、面白いに決まっているではないですか(^_^;)。
立ともみ、汝鳥伶も文句なく上手くて、作品を助けていました。彼女たちに「学ぼうシェィクスピア」のナンバーがあったのも、谷先生の愛ある課題のひとつでしょうか? 宝塚では久しぶりに聞けたナンバーで、嬉しかったです。

早霧せいなはまずまず。この前の新公の時の方がインパクトはありました。
凪七瑠海はぬいぐるみ役者という変わった役所。何でもズバっと言ってしまう・・という件も、彼女が言うと爽やかで、イヤな気がしないのが面白い。

鳳翔大は多分今までで最高に台詞や歌やダンスの見せ場があったのではないかと思うのですが、上手い・・とまでは言えないものの、今まで以上にやる気と攻めとキザが見られたので良しとしたいと思います(^_^;)。
大きくて華やかで目立つのですが、もう一歩痩せてすっきりして欲しいですね。

妃宮さくらが達者で可愛らしく、主人公の妹という役が良く合っていました。
また、新人の千鈴まゆが人形使いという印象に残る役を好演。彼女も可愛らしかったです。