「暁のローマ」月組大劇場公演


月組大劇場公演「暁のローマ」、5/21に観てきました!

「暁のローマ」は木村先生脚本・演出&甲斐先生音楽のオリジナル・ミュージカル最新作。
あのジュリアス・シーザー暗殺の歴史的物語を、明るく、楽しく、軽く見せたらこんな感じ♪ というノリで、キレイだけれど、盛り上がりに欠けると思いました。

「カエサルは偉い♪」の連呼だけで、「カエサルってそんなに偉いんだ、すごいなぁ~。」と観客が感動するとは、まさか木村先生も思っていないだろうと思いますし、歴史を軽~く、楽しく見せる事に徹しているのでしょう。
「王家に捧ぐ歌」で「エジプトは凄い」「すごっすごっ♪ つよっつよっ♪」というナンバーがありましたが、ひたすらそんなノリです。
冒頭に霧矢大夢と北翔海莉の漫才(?)があるのも、そんな指向の現れだと思います。この作品で、本気で感動する事はできないですね。

私は宝塚には何よりも美しさを求める方なので、今回の衣装の美しさには大満足。
特に瀬奈じゅんのブルータス、大空祐飛のカシウス、バックのパステルカラーの群衆たちはキレイでした。

轟悠のカエサル。ひたすら「轟悠で~す」という存在感だけで見せているような役でした。
しかし確かに存在感があるし、キレイで良い。冷酷な面もある圧倒的な支配者、というこの役のキャラクターが良く合っていますね。
芝居していた気がするのが、刺された瞬間の「おまえなら、いい。」の時だけだったような気がするのが、仕方ないけれど物足りないかな。

瀬奈のブルータス。上記のように、扮装が似合ってとてもキレイでした。
この時代の話なら、ブルータスはどうしても裏切り者の上に、結果的に負ける役なので、なぜ瀬奈をアントニウスにしないのだろう? と思うのですが、皆に愛されているブルータス、というキャラクターは、これも瀬奈に良く合っていると思いました。

ポルキアの彩乃かなみ。全体にパステルの衣装の中、なぜ彼女の衣装だけあんなに濃い緑だったのでしょう? 新調だと思うのですが・・。キレイなピンクくらいにして欲しかったなぁ、と思いました。
歌の多いミュージカルとあって、歌の上手いのが光っていましたね。

アントニウスの霧矢。アントニウスがえらく三枚目になっていましたが、霧矢らしく人間味のある役になっていて良かったです。
説得の歌も良かったです。

カシウスの大空。上記の通り、扮装が良く似合ってかっこ良かったです。
『野心をくすぐれ』の歌がインパクトあって面白い。

オクタヴィアヌスの北翔は、出番が少なかったですが、若くてキレイな将軍役になれていて良かったです。
ラストの歌は一人で劇場一杯に響かせるもので感動。
漫才はもう一つ面白くないボケでしたけれど・・(^_^;)。

セルヴィーリアの嘉月絵理はとても色っぽく、占い師の花瀬みずかも歌で活躍。美鳳あやにダンスで見せ場があり、他も若手までソロが多かったのが嬉しい。
クレオパトラの城咲あいが、現代っ子っぽいキャラクターで面白く、カエサルの妻の椎名葵は、ラストに歌としっとりしたお芝居が観られて良かったです。

若手男役は総じて暗殺者役でかっこ良い。
もう少し他の民衆と衣装に差をつけて欲しかったですけれど。(衣装の話ばかり・・笑)

ショーは、酒井先生の新作・・ですが、既にあまり記憶にない(^_^;)・・ので、また改めて投稿させて頂きます。