花組ドラマシティ公演「Appartement Cinema」


花組ドラマシティ公演「Appartement Cinema」。3/25に観てきました!
(以下、ネタバレです。)

稲葉先生のデビュー作、というのが大きな楽しみだったのですが、まずまず良かったと思います。
タイトル通り、「Appartement」に集う様々な人々を描くグランドホテル形式の物語と、「Cinema」スクリーンを使った演出ものをミックスしたような作品。恋愛ものと友情ものにコメディも混ぜて多彩に展開。サラリと気軽に楽しむには良いのではないかと思いました。
プロローグの雰囲気が良かったです。登場人物の説明等を映像で見せるのも面白い。
しかし映像は、アンナ(桜乃彩音)の映画の映像はまだ良かったけれど、他は全体に洒落ていなくてイマイチでした。わざとベタにしているコメディ部分もあったのですが。その2幕序盤のご対面番組の件はギャグに走り過ぎの感も。

一番の不満点はウルフ(春野寿美礼)の設定。
余命いくばくもない人が、最後に「人間らしく生きたい」というのは分かるのですが、それが、とりあえず裏の仕事から手を引き、アパルトマンにのんびり隠れ住みながら、あこがれの女優のお尻を追いかける事なのでしょうか(笑)。
お互い本気になるとは思っていなかった・・としても、相手に何も告げないまま、子供まで作っちゃイカンだろう~(おばさんの説教みたいになってきました・・^_^;)。
アンナも割り切っていそうな設定にはなっていましたが、それはないだろう~、と思いました。

ウルフの春野は、今回スーツもののせいで気づいたのか、本当に痩せていてびっくりしました。役の設定にはピッタリでしたが、ちょっと心配なくらい。しかし、歌にも存在感にも危なげがないです。
アンナの桜乃。扮装は舞台の現代もののミニスカート姿よりも、スクリーンの中のクラシカルなイメージの方がずっと似合っていると思うのですが、ツンとした美人の役柄は、見た目に良く合っていました。歌が少し弱いのが「ファントム」に向けては心配ですが、それも物語を壊す程ではないですし(^_^;)、何よりキレイなのがありがたいです。

レオナードの彩吹真央が、物語の鍵を握る良い役。この人が演じると役の気持ちが分かりやすいんですよね。2幕のウルフとの語り合いは良い場面でした。今充実しているな~、というのを感じます。
相手役は華耀きらり。お嬢様育ちの若い妻という、これも見た目と役がピッタリ(笑)。本人もキレイでしっかり演じていて良かったです。

オーランドの真飛聖。役柄的には「Love Insuranse」のジェフのような弟分キャラで懐かしかったのですが、あの頃は何だか空回りで面白かった真飛も、さすがに自然になったな~、と思いました(^_^;)。見た目も良い。

今回太田先生作品でない千雅てる子を初めて見たかも。お芝居だけでなく、太極拳や、さらには真飛とのデュエットダンスまで見られて嬉しかったです。稲葉先生ありがとう(^_^;)。
夏美ようが組織のボス役。嫌らしげで良かったです。

梨花ますみが激しくぶっとんだ役で面白かったです。持ち味とは違うけれど、上手いですよね。
ツバメ役(?)の嶺乃一真、天宮菜生がどちらも可愛かった~(笑)。
メリッサの鈴懸三由岐がキリリとかっこ良く、若手の華形ひかる、望月理世が爽やかで優しい役所。
アンナの事務所の社長役の珠まゆらが上手。新進女優役だった華月由舞がとてもキレイでした。