雪組バウホール公演「やらずの雨」


谷先生の落語シリーズ第3段、今回も期待して観ましたが、やはり楽しくて良かったです。
前半は真面目で固い若旦那・徳兵衛(音月桂)が吉原へ・・という音月の慌てふためく演技が面白く、可愛かったものの「くらわんかの方が面白かったかな~」と思っていたのですが、二幕で一転。徳兵衛が、急に男前に~。

女たちに人気の船頭、という設定にも納得の、水もしたたる良い男っ振りにホレボレしました。
「やらずの雨」のタイトルの意味が分かる、大川での雨宿りのシーンも素敵でしたね~。あぁ、お初(純矢ちとせ)と三味線を弾きあうシーンも。いつのまに、あんなキザな目線やしぐさを、身につけるんでしょうね。
個人的に、一幕の吉原へ行く件で、懐かしい雪之丞様の衣装(確認はしていないのですが、多分・・)が見られたのも懐かしかったです。トート(「グラフ」誌)の次は雪之丞か! と思いました(^_^;)。
日本物の化粧も良く似合って美しく、このまま雪組の御曹司として素直に伸びていって欲しい男役さんです。

お初の純矢ちとせ。つい最近まで男役さんで、ほとんどその印象しかなく、娘役と言えば「宝塚舞踊会’04」で観た袴の女学生姿。これが、かなりゴツくて似合っていなくて・・(笑)。
そんな印象しかなかったので、美しい芸者姿にビックリしました。音月の相手役としては大きいですが、元男役ならではのしっかりとしたたくましいお姉さん振りで、声が良く芝居も上手。今回の作品、役柄には純矢の抜擢は良かったな、と思います。
彼女も二幕の三味線を弾きあうシーンに色気があり良かったです。三味線も上手でした。

雪組初登場の彩那音もすんなりと馴染んでいましたし、その他の若手も、私もわからない位の下級生が多かったですが(^_^;)、皆上手でした。プログラムは役名のみだったので、全員分からなかったのが残念。
近藤/時次郎の香綾しずる、勘平の凰華れの、杢兵衛の透真かずき、他、若手の男役さんにはなかなかキレイな人が多かったです。

甚兵衛の汝鳥伶、お甲の灯奈美が、舞台をしっかり気持ちよく締めていました。