宙組大劇場公演「薔薇に降る雨/Amour それは・・・」


「薔薇に降る雨」。
×だ・・。

たにちゃん(大和悠河)、最後にどうしても、かりんちょさん(杜けあき)のような大人の男が演りたかったんだよね・・。

って事が、ポスター見た時から分かっていたし、最後だから演らせてあげようよ(って誰よ?)、という気もあったんだけれど、やっぱり×。

若い時と7年後の演じ分けがない、演技に深みがない。
分かっていたけれど、私、そんなにたにちゃんって、演技が苦手なイメージはなかったんですよね。
でも、苦手分野はやっぱりさっぱりダメなんだ、って事が露呈してしまっている。

そんなに悪い作品ではないと思うんですよね。正塚先生らしい題材。
でも、今回役柄が、全くたにちゃんに歩み寄っていない。
大人のラブロマンスを、「演れるもんなら演ってみろ」状態で、放り投げてしまっている。

アゴ突き出してカッコつけるたにちゃん。あんな姿を最後の思い出に残したくないよ・・。
っていうのが、正直な感想。
たにちゃんにとって、本当に演りたい役ではなかったかもしれないけれど、私的には、「A/L(アール)」の齋藤先生、「Paradise Prince」の植田景子先生に断然軍配を上げるわ。

ショーは岡田先生のロマンチックレビューシリーズの流れに沿った作品。
これも作品は悪くない。
けれどやっぱり、サヨナラ公演の割には盛り上がっていなかった気がするなぁ・・。
とうこちゃん(安蘭けい)のサヨナラが近かっただけに、差を感じるわ。

うめちゃん(陽月華)はそれほど悪くなかったけれど。
でも、格式に捕らわれ続ける伯爵令嬢は、うめちゃんの最後で見たかった役ではない気がする。
そう、トップコンビ揃って、サヨナラ公演なのに全く「らしくない」役なのだ。

最後にキラキラ輝いていて目を奪われたのが、美羽あさひ。
みなみちゃん(南海まり)が退めてしまっただけに、もっとがんばっていて欲しかった。

七帆ひかる君も、全く退団する必要を感じない。最後までキリリとかっこ良かった。
十輝いりす君とのコンビも最後かぁ~。残念だなぁ~。

あとは、退団の彩苑ゆき。すごくいそうな、自然なおばあさんで上手かったです。