星組新人公演「ベルサイユのぱら」


星組新人公演「ベルサイユのぱら」、1/17に観てきました!
星組の新公は「ガラスの風景」以来。柚希礼音主演は最初で最後になってしまいました。

そのフェルゼンの柚希。登場の瞬間、化粧の目が青いのにびっくりしました。昔ながらの化粧に近い・・オスカルもアントワネットもそうでしたが、フェルゼンの柚希が一番しっかり青く描いていたのではないかと思います。
星組って古風なんだな、とも思いましたが、「ベルばら」が宝塚の古典(・・と言い切ってみる)であり、その昔ながらの、特別な作品の雰囲気に真正面から近づこうとしている、諸先輩方の言う事はたぶんちゃんと聞いている(^_^;)、素直な良い子なんだろうな~、と思いました。
しかし、あまり美しくないですし、似合っていなかったと思います。白すぎる化粧もイマイチでしたが、大体、フェルゼンのフリフリ白タイツの衣装って、似合うタイプを選びますよね、きっと。柚希は似合うタイプではないと思います(^_^;)。

役に関しては、本公演でも書きましたが、あまりフェルゼンがかっこ良く見えない脚本なので、本役ともども柚希もお気の毒だと思いますが、メンバーの中で抜群に落ち着いていて、安定感があり、余裕があり、頼もしかったのは間違いなかったです。
本公演評で書いた2つきりのかっこ良い場面のうち、「行け行けフェルゼン」がカットになったのは残念。
もう一つの牢獄の場面は涙を流しての大熱演。この新公にかける意気込みの強さを感じました。

そして、メンバーの中で2番目に、落ち着いていて、安定感があり、余裕があり、頼もしかったのはアントワネットの陽月華。やはり場数が違うな、と思いました。芝居が上手いと思います。歌や台詞の声も良く工夫していました。
ただどう見ても「どこかのご婦人」どまり。役を考えなければムードのある素敵なご婦人でしたが、王妃マリー・アントワネットには見えなかったです。
特にひどかったのが、ラストの牢獄場面。痩せている為もあり、すっかり老女に見えました。

オスカルの麻尋しゅん。見た目はクリクリプチプチと可愛らしく、しかし脚が長くてスタイル抜群。見た目が可愛らしいので女らしいように見え、歌声は低くてびっくり。要するに、麻尋そのまま(笑)でしたが、なかなか魅力あるオスカルでした。
キラキラ光るオスカルの軍服がよく似合い、バスティーユの場面もセンターがちゃんと板についていて、引きつけられました。この辺りがすごいですね。歌や台詞が安定しているのも良いですが。

アンドレの夢乃聖夏。私としては、「花のいそぎ」以来くらいでしょうか? しっかり観た気がするのは。
良く似合っていました、アンドレが。背が高くてオスカルとのバランスも良かったですし、ちょっとダークめの、悪く言えば地味めの、控えめな雰囲気もアンドレらしい。
スタイルが良く、特に「今宵一夜」のエンジの上着姿がキレイでした。アンドレはこういう雰囲気の人に演ってもらいたい! アンドレってやっぱりかっこ良い役なんだよね~、と久しぶりに思いましたよ。

・・と見た目と雰囲気の話ばかりしてしまいましたが、芝居も割と自然。「今宵一夜」や死にっぷりはあっさりめ。でも、あまり濃く演られるのも辛い(^_^;)ので、新公ですし、これ位の方が爽やかで良いかも。
歌はかなり弱かったです。これからがんばって下さい(^_^;)。

ベルナールの天緒圭花は、上手い人なんだろうと思うけれど、もう一つ良さが分からず。
ロザリーの南海まりは、ブリブリに可愛かったです(^_^;)。最後の新公がこの役なのは本当に残念。この新公を観て、よりいっそう、南海のアントワネットが観たかったと思いました。

ジェローデルの水輝涼がなかなか台詞も安定していて、背が高く、見た目も良かったです。
アランの美弥るりかは、そんなキレイで可愛いアランはいないだろう~と思う容姿の人ですが(^_^;)、台詞はまずまず。でも、「それでも船は行く」の時のほうが印象は良かったかな。

他ではまずヒットはブイエ将軍の彩海早矢。キリリとした化粧が良く似合い、ちょっとかっこ良い、しかしどこから観ても悪者(^_^;)で、気持ちよく迫力ありました。「龍星」に引き続き、テンション高くない落ち着いた役もできるようになったんだな~、と思いましたよ。
マリア・テレジアの華美ゆうかも美しく、威厳のある台詞も良く言えていました。

メルシー伯爵の七風宇海。ダンサーだと思っていたら、いつの間にこんな役が回ってくるようになったのでしょうか(^_^;)。第11場は、長台詞で今にも声がひっくり返るのではないかとドキドキしましたが、一生懸命説得している感じは良く出ていましたし、ちゃんと年配の人が言っている声に聞こえたのにも感心しました。本当に難しい役だと改めて思いましたが、大健闘でしょう。

ルイ16世の天霧真世は、本役よりも原作のイメージに近い国王様に見えて良かったです。
デュガゾンの銀河亜未がキレイでした。この人も最期の新公だけに、もう少し良い役が観たかったですね。

モンゼット侯爵夫人の花愛瑞穂、シッシーナ伯爵夫人の梅園紗千は、他の夫人、令嬢ともども色々工夫して楽しかったです。新公ですし、もっとやっても良いかも。
プロバンス伯爵の鶴美舞夕、ジャルジェ将軍の一輝慎は、ちゃんと演じていましたが、それよりも二人とも美しすぎるオヤジたちなのが面白かったです(^_^;)。

小公子の天寿光希は、文化祭や初詣ポスターのイメージからすると、割とキレイに、可愛く出られていましたね。歌も緊張していましたがまずまず。
小公女の成花まりんと白妙なつは二人とも化粧がもう一つ。
アントワネット(少女時代)の蒼乃夕妃は化粧が良く似合って可愛らしく、歌も自然に歌えていて良かったです。昨年のバウヒロインに引き続き、これからが楽しみな娘役さんですね。